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Blog-0002 まだミラーレスの時代ではない

 デジタルカメラの進化は止まらない。昔は、大枚を叩いて買ったカメラとレンズは、家財の一つとして長く愛用されたものだ。画質はフィルムの進化に委ねられていたため、カメラ側は測光方式に若干の改良が加えられる程度で、基本性能にあまり変化はなかった。ところが、デジタルカメラ時代に至ると、家電品のごとく消耗品と化した。毎年のように新型モデルが登場し、フィルムの代わりとなるセンサーや、画像処理エンジンが早いペースで改良されている。
 そして、レンズ交換式のカメラにおいては、レフ機構を省いたミラーレスが主流となりつつある。慎重なニコンでさえ、フルサイズセンサーを搭載したミラーレスカメラに乗り出してきた。レフ機と装備の大型化に耐えかねていた自分も、ミラーレスカメラに関心があり、ソニーのαシリーズを手元に置く。新規格の登場により、再びレンズマウントのリセットかと思いきや、ミラーレスの魅力は別のところにもあった。それは、フランジバックの制約から解放されたことにより、マウントアダプターを介して、常識を破るレンズとカメラの組み合わせが可能となったことである。40年近く前に製造された高性能な単焦点レンズを安く手に入れて、時代やメーカーの壁を超えた撮影が楽しめるようになった。
 一眼カメラの世界に再び新しい風が吹いているが、ミラーレス機への全面移行は少し踏みとどまろうと思う。市場も、しばらくはレフ機がリードするだろう。欲張りだが、もう少し両方を使っていこうと思う。見やすい光学ファインダーはレフ機最大の魅力だと思うし、まだレフ機を完全に使いこなせていない気がするからだ。