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Blog-0003 シグマ社製レンズが急に動かなくなる理由

 今更ながら、D800EからD810に機種変更した。当然のごとく、所有レンズをそのまま活かせることが前提である。なかでも、SIGMAのArt 35mm F1.4 DG HSMは、誰もが認める銘玉。早速、D810に装着してみた。ところが、シャッターを半押ししてもうんともすんとも言わない。オートフォーカスが動かないのだ。故障だったらマズイと思いつつ、もう一つの理由を考えてみた。そして、同社のMACRO 105mm F2.8 EX DG OS HSM を装着。やはり動かない。次に、50mm F1.4 EX DG HSMという少し古いタイプのレンズを装着。案の定、これも動かない。
 では、タムロンSP 15-30mm F2.8 Di VC USD、タムロンSP 70-200mm F2.8 Di VC USDはどうか。何の問題もなく動いた。つまり、シグマ製のレンズが、ニコンのカメラに対応していないという結果が出たのだ。一連のシグマ製レンズは、D800E時代に揃えたものである。後継機のD810は、2年4ヵ月後に発売された機種なので、時間差は大きくない。それにも関わらず、新しいカメラボディやファームウェアバージョンに、SIGMA製レンズが対応できなかったということになる。
 この組み合わせで必ず支障が出るかといえば、そうではないようだ。レンズ側のROMとカメラ側のファームウェアバージョンとの関係なので、ある時期より古い生産ロットのレンズに限って、D810用との相性が悪いということだろう。早速、シグマ社にメールで問い合わせた。「計画していた撮影旅行が台無しになった」と、少し強気に出てみたものの、シグマからの返信内容は、無料でレンズ側のファームウェア―をアップデートするという、最低限の責任対応であった。シグマ側は、2013年に発売されたD5300において不具合を確認し対応を周知しているといい、実際にそれは確認しているのだが、D810の場合に関しては何もアナウンスされていなく不親切だと言い返したい。特に気になったのは、D5300の発売から年月が経過しているためか、“元払い”でシグマの福島工場へ郵送するよう指示のあったことだ。返送については、シグマが負担してくれるという。D810は中古で買ったのではなく、在庫処分の新品で購入したものだが、旧モデルとなると対応が冷たい。
 そんなことより、ニコン対応といっておきながら数年で使えなくなってしまうことの方が問題である。今回は、タムロンレンズは全く不具合がないことから、ニコンとシグマの会社間関係が災いしているのか。USB DOCK対応のレンズであれば、自宅でもアップデートが可能らしいが、そのような機器の販売は、本来の販売者責任を消費者にとらせているように思えてならない。